Intalio JapanConを覗いてみた

2008/10/06〜2008/10/07に大手町KDDIホールでIntalioによるカンファレンスがあったので覗きに行ってみた(カンファレンスサイト(ちょっと情報が古いかも))。
実際にいたのは10/06の終日と10/07の午前中だったが、幾つか興味深い話を聞くことができた。
元々人が集まるところが苦手なうえにプレゼンテーション形式の情報は粗すぎて時間の無駄だという意識があったのでカンファレンスやセミナー類にはほとんど参加してこなかったのだが、雰囲気を見たり、技術者同士の交流を傍から見て疎外感を感じたりするのは良い刺激になるのかもしれない。

セッションは1時間程度のものが1日7つ。昼食時間もセッションに使うという強行スケジュール。自分は昼食食べないからいいけど。
1日目はIntalio社によるセッションが3つとパートナーによる事例紹介が3つ、あと1つはForrester Research社によるBPP/BPMNの世界の動向の話。
2日目はIntalio社によるセッションが2つとパートナーによる事例紹介が4つ、あと1つはIntalio社による事例紹介。
一部のプレゼン資料は「Intalio関連のスライド集」に置かれている。

自分がみた分の事例紹介は以下の4つ。

  • NTTデータイントラマート
    • 社長じきじきにintra-mart7の紹介。35歳で社内ベンチャーの社長になってまだ40ちょい。若いなぁ。intra-mart7はIntalioのBPELエンジンやESB Muleを使ってビジネスプロセスの制御や外部システムとの連携を実現しているが、日本特有の複雑なワークフローをBPELで表すのは効率が悪いため、intra-martの強みであったワークフローエンジンは残しているとのこと。またRCM(Risk Control Matrix)を貼り付ける機能などを追加したらしい。要はintra-martのカタログに書いてある話。Intalioのリーダーたちがいるなかで「こちらのリリース直前にIntalioが事前通知なしに仕様変更することなどが多々あって苦労した」とぼやいていた。
  • 東洋ビジネスエンジニアリング
    • 他社が自社製品のアピールをするなか「SE2名1ヶ月でintra-mart上に自社の業務フローの一部を載せる」という試行結果を発表。手堅いところに好感が持てる。業務フローからBPMNベースの図を導出するためには不明確な情報や粒度の違いがあるため中間モデルを作ってワンクッションおいた方がやり易いとのこと。RCMの貼り付けについてはintra-martの基本機能で十分らしい。
  • LafeRay
    • CEOじきじきにLaferayの紹介。Liferayはオープンソースの企業ポータル。少ないコストで簡単に企業ポータルが作れますよというプレゼン。米国Nintendoのサイトで言語の切り替えやらテーマの切り替えやらが簡単に出来るデモをみせてくれた。ただ、英語が分からなかったのでどうIntalioと絡んでいるのか分からなかった。ちなみにプレゼンでは出てこなかったけれど「日本 Liferay ユーザグループ - Home」やら「野村総研OpenStandiaによる技術サポート」やらがある。
  • Coghead
    • Intalio社CEOのIsmaelによる紹介。CogheadはWeb上でペタペタとビジネスアプリケーションを開発/実行できるプラットフォーム。限られたIT資源で小さいスコープのアプリを開発/実行するのに適しているとのこと。特に「100% Webベース(=IT投資不要)」「容易に作成可能(=開発できる要員の裾野が「IT技術者」から「パワーユーザ」に広がる)」という、PaaS(Platform as a Service)としての特性を備えているらしい。典型的なBPEL実装ではロードプロセスが10で実行中のインスタンスが100,000であるところが、Cogheadの場合はロードプロセスが200,000以上で実行中のインスタンスが100という使われ方をする。ちなみにCogheadは単一サーバに100,000プロセスあり、以前別のBPELエンジンを使っているときには20,000プロセスの再起動に6時間掛かっていたが、Intalio|BPMSを使うようにしたら7秒で再起動するようになったとのこと。しっかりIntalioのメリットをアピール。

Intalio社のセッションは4つみたが、色々まざっているので自分的に気になったところだけ抜粋。

  • 米国ではAmazon EC2/S3(EC2:Elastic Compute Cloud、S3:Simple Storage Service)が結構使われているらしい。CogheadやIntalio On Demand EditionはEC2のようなところで公開されるものみたい。日本国内ではあまりEC2の話を聞かないのはなんでだろう。自分が知らないだけか。Cloud Computingの一番根っこのプラットフォーム自体をビジネスとしてもよいよね。
  • Intalio|Serverのロードマップのキーワード
    • SimpEL
      • 「BPMNで図を描くのは確かに楽だが文字ベースの方が都合がよいこともある」「かといってXMLベースのBPELを手で書くのはしんどい」→スクリプトっぽい文法で書けばいいじゃん→Rubyっぽい文法でBPELを表すSimpEL誕生。
      • PHPJavaRubyと混ぜて使える。
      • BPMNやBPELをSimpELに変換可能。
    • RESTful BPEL、HTTP Binding
      • 文字通りだね。
    • TAS3(Trust Architecture for Securely Shared Serivces)
      • EUのプロジェクトらしい。
      • 認証管理の標準になる?
    • Feeds
      • インターネットスケールでのイベント配信。
      • RSS/Atomによるプロセス起動。
      • DB変更によるプロセス起動。
      • 「在庫減少→自動発注」とか。
    • ネイティブXQueryサポート
      • XSLTの代わりになりそう。
    • Publish-Subcribe
      • なんかイベント配信がらみだが詳細不明。
    • Singleshot
      • Ruby on RailsベースのRESTfulな使い易いタスクマネージャ。らしい。


参考:Intalio社ページのカンファレンス記事より


参考:Intalio社CEOIsmaelのブログより


おや?いつの間にかIntalioジャパンオフィスのサイトが出来上がっている。
http://www.intalio.jp/