仕組みの背景を考えましょうという話

2chまとめサイトに以下のような書き込みが取り上げられていた。

712 おさかなくわえた名無しさん :2009/04/28(火) 20:42:46
俺は娘に胸に乗られて肋骨が痛いんでレントゲン取りに病院行ったんだが、名前呼ばれて血圧測るって言うんでキレたね。
打撲で来てんのに血圧測ってどうすんだ!ジジイじゃねえんだボケ!ってね。
そしたら規則ですからだって。
お前は自分が何のために仕事してんのか論理的に説明してみろ!
血圧測るのもただじゃないだろ、診療点数に乗っけるんだろ!
って言って拒否しました。

肋骨は折れてませんでした、軟骨が痛んだだけで済みました。

http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51461671.html

これに反応するコメントが多く寄せられており、自分も以下のようなコメントを書き込んでみた。

1015 学名ナナシ :2009年05月16日 18:09
素人が感覚で不要か否かを判断するなよ。
それに現場の実施者が理論を理解していない作業であっても、その仕組みを作った人間が専門家として熟考した結果そうなっている場合がある。

http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51461671.html#1015

上記>712の書き込み自体はネタなのか釣りなのか本気なのかわからないが、これに類似した話というのはよく聞く。と、いうか実際に体験もしている。
自分はアーキテクトとして開発標準やらフレームワークやらを策定してそれを基に作業を進めてもらうことがあるのだが、こちらでいろいろな可能性を鑑みて構築したものを、(たいていの場合は煩雑であるという理由で)現場で恣意的に変えられてしまうことがある。
もちろん、現場の判断の方が正しいこともあるが、恣意的な判断のせいで後で困った事態になることもある。
こちらとしては現場に対して事前に「何故そうなっているのか」という説明をしたり、変更する際にアーキテクトチームの判断を経由するような仕組みを導入してみるのだが、プロジェクトがいっぱいいっぱいの状態になってくると、そのあたりの制御が難しくなる。
まぁ、自分も既存のライブラリやらフレームワークやらを使うときに「(自分にとって)使いにくい」という理由で勝手にそれらが想定しているのとは異なる使い方をしてしまうことがあるので人のことを言えた義理ではないのだが、少なくとも「誰かがよく考えた結果を改悪している可能性がある」ことを考えるように心がけているし、他の人にも同様のことを心に留めておいて欲しいなと思う次第。

上記自分の体験は「既存のルールを良かれと思って変更してしまう」例であるが、チェーン店で俺様専用の要求を出して「マニュアル通りにしか対応できないのか」と責めたり、空港などの全員を対象とした検査を「俺が悪いことするわけないだろう」と拒否したりするのは論外。
どうして自分が安価な商品や安全な環境を享受できているのかをもっと考えるべき。